自覚と戸惑い

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陸の雪花展の金賞祝いをした次の日の10時過ぎ、凜は頭痛とムカつきで目を覚ました。 結局明るくなるまで4人で飲み続けて、完全な二日酔いになっていた。 土曜日で学校がなかったのは不幸中の幸いだったが、まだ寝足りないにもかかわらず体は寝ることを許さなかった。 「き、気持ぢ悪い……」 凜は口元を両手でおさえながらトイレに駆け込んだ。 凜は動くとまた吐きそうになるので、トイレからしばらく動けなかった。 そこで力の入らない体を壁に預けていると陸が苦笑しながら現れた。 「はい、スポーツドリンク。飲んだ方がいいよ」 陸に2リットルのペットボトルを渡されたが、凜は口をつけなかった。 「飲んだらまた吐きそう……」 すると陸は苦笑して言った。 「吐いた方が早く楽になるよ?それに胃液吐いたらもっと辛いから飲んでおいた方がいいって」 凜は恨めしそうに陸を見上げた。 「同じくらい飲んだのになんで平然としてんだよ?」
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