自覚と戸惑い

5/13
前へ
/374ページ
次へ
「……いくつか聞いてもいい?」 さやかはキョトンとして頷いた。 「えぇ、いいわよ」 「……姉ちゃんにから見て、陸ってどう?」 「どうって……。そうだなぁ……、凄く素直で、純粋で、いい子でカワイイと思うよ」 さやかはそう言ってニッコリ笑った。 「……もし、陸が好きになったのが姉ちゃんだったら、どうしてた?」 その質問に、さやかは驚いた。 「えぇ!?それってどういう意味……?」 「もしもの話だよ」 さやかは少し戸惑いながら答えた。 「そ、そうだなぁ……。白河くんは好きな女の子に会うために金賞をとって、留学を決めたんでしょ? それは凄くカッコイイし、もしわたしがその女の子の立場だったら凄く嬉しいと思うけど……」 「……付き合う?」 「それは、どうかな……。白河くんは優しいし、素敵だと思うけど、……わたしも色々あるからね」 そう言ってさやかは苦笑した。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加