自覚と戸惑い

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部屋に入ると、二日酔いのせいであまり睡眠をとった気がせず、そのままうつぶせにベッドに倒れこんだ。 目を閉じて寝てしまおうとしたが、おさまりきっていない二日酔いと、胸のざわつきで眠れなかった。 ため息を1つついてゴロンと仰向けになって天井を見上げた。 そして昨晩の陸の言葉を思い出した。 『僕はきっと凜くんは家族としてだけじゃなくて、1人の女の人としてもさやかさんが好きなんだと思うよ?』 「俺が姉ちゃんを好き、かぁ」 好きなのは間違いないと思った。 あの日の事故以来、最も凜の側にいた人で、最も凜が頼りにした人。 嫌いなわけがない。 むしろ大好きだと凜は思った。
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