自覚と戸惑い

9/13
前へ
/374ページ
次へ
恥ずかしいどころか、むしろ凜は子供も頃からさやかに抱きしめられるのが好きだった。 両親を失う前からさやかは凜を可愛がっていた。 両親を失ったあの日以来、凜が1人で泣いていると凜を抱きしめて一緒に泣いてくれた。 『1人じゃない』 そう思わせる優しさと温かさが好きだった。 それは今でも変わらないと思う。 「あぁ~~~!わっかんない!」 凜はそう言ってため息をついた。 するとドアをノックしてさやかが部屋に入ってきた。 「大きな声なんか出してどうかしたの?」 キョトンとしながらさやかは凜の横までやってきた。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加