自覚と戸惑い

11/13
前へ
/374ページ
次へ
さやかは凜の言葉にキョトンとして、クスクス笑った。 「白河くんが留学しちゃうから寂しいの?でも大丈夫よ。わたしは凜のそばにいるから」 「……ホントに?」 凜が尋ねると、さやかはニッコリ笑って大きく頷いた。 「当たり前でしょ?わたしは凜のお姉ちゃんなんだから」 『お姉ちゃん』という言葉を聞いて、凜は胸が締め付けられた。 「……凜?どうしたの?」 「え……?」 さやかに尋ねられて凜はキョトンとした。 「今、すごく怖い顔してたよ?」 「……なんでも、ないよ。大丈夫だから」 さやかは心配そうに凜の顔を覗き込んだが、凜は顔をそらした。 「……ごめん。寝るから……」 「……わかった。でもなにかあったらすぐ言うのよ?」 さやかはそう言って部屋を出ていった。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加