自覚と戸惑い

12/13
前へ
/374ページ
次へ
この時、凜は自覚してしまった。 抱きしめた時は胸が高鳴り、『一緒』と言われて嬉しくなった。 姉と弟という関係では満足できず、部屋を出て行く背中を見てまた抱きしめて止めたくなった。 1人の異性としてさやかが好き。 もう間違いなかった。 考え事は解決した。 でも、悩み事が新たに生まれた。 実際は従姉弟とはいえ、2人は『姉弟』として過ごしてきた。 少なくとも今この瞬間も、さやかにとって凜は『弟』。 告白しても、いい返事をもらえるとは思えない。 フラれた後は、朝『おはよう』と言っても困った表情をしているのが想像できた。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加