自覚と戸惑い

13/13
前へ
/374ページ
次へ
そんな想像をして、凜は自嘲気味に笑った。 「ダメじゃん……。姉ちゃんを守れてないよ」 そしてため息を1つついてベッドに倒れこんだ。 「……陸ってすごいな。同じ片思いでも、フランスまで追っかけちゃうんだもんな……」 凜は姉同然のさやかを好きになったので、陸より状況は複雑だが、それでもすごいと思った。 「……俺は姉ちゃんのためになにができのるかな?」 さやかが笑顔でいるためなら、幸せになるためならなんでもしようと思っていた。 好きという自覚がなくても、世界で1番大切な人だったから。 自分自身より、遥かに大切な人だから。 だから決意してしまった。 この想いは、決して伝えないと。
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加