旅立ちの日に

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その後リビングに戻り、海、渚、さやかを交えて5人で話しているとあっという間に出発の時間になった。 渚の両親を交えて陸を駅まで見送りに行くことになった。 陸の希望で車には乗らず歩いて駅に向かうことにした。 海と渚は空港まで見送ると言って聞かなかったが、結局陸はそれを断った。 陸は駅で切符を買い、すぐにでも改札を通れるようになった。 「フランスまで行くのに、切符なんて案外簡単に買えちゃうよね」 渚は冗談まじりにそう言ったが、やはり少し寂しそうだった。 そんな渚の頭にポンと手をのせて優しく撫でた。 「あまり湿っぽくしたら陸が困るだろ?陸はこれからが大変なんだから」 そんな2人を見て、陸はニコニコ笑っていた。 「渚ちゃん、家と兄さんのことよろしくね」
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