旅立ちの日に

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そこまで考えてポツリと呟いた。 「……やっぱりわからないなぁ」 するとさやかはクスクス笑った。 「明日までは春休みだし、気分転換に出かけてみたら?」 そう言われて、凛は陸に最後に言われた言葉を思い出た。 「なぁ、姉ちゃんも一緒に出かけない?」 「いいけど、どこに?」 さやかに尋ねられて、凛はニッコリ笑った。 「もちろん海だよ。美月は海まだだしさ」 さやかはクスクス笑って頷いた。 「いいよ。それにしても凛は海が好きだね」 そんな話をしていると、電車は降りる駅についた。 凛は電車を降りると、ホームで空を見上げた。 (お父さんたちとの約束があっても、俺は『1人』で海を描いてるのかな……)
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