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陸が旅立った次の日、凛は朝からさやかと美月と海に向かっていた。
電車を降り、今は海に向かって歩いているところだった。
現在の時刻は午前9時。
「陸は今頃フランスかなぁ」
凛が呟くと、さやかはニッコリ笑った。
「そろそろ着いた頃だね。寂しい?」
さやかに尋ねられて、凛は隠さず頷いた。
「そりゃ寂しいよ。美月だって陸お兄ちゃんがいなくなって寂しいよねぇ?」
凛が指で美月の頬を撫でながらそう言うと、美月は嬉しそうにキャッキャッと笑った。
そんな美月を見てさやかはクスクス笑った。
「まだわからないかな?」
すると潮の香りが風にのって鼻をくすぐった。
「この香りは何度目でもやっぱりいいなぁ。こう、ワクワクするというか!」
そんな凛を見てさやかはクスクス笑った。
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