過去の海、今の海

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そんな調子で歩いていくと、海が見えた。 「海!たまらないなぁ~。もう最高!」 凛はニコニコしながらそう言った。 するとさやかが髪をおさえながら言った。 「春先だから少し寒いね」 「あっ、大丈夫?」 凛が尋ねると、さやかはニッコリ笑って頷いた。 2人は並んで砂浜に腰を下ろした。 「ねぇ、凛。前から1つ聞いてみたかったんだけどいい?」 さやかが尋ねると、凛はキョトンとして頷いた。 「凛が見た海ってさ、何か特別な海とかじゃなかったよね?」 その問いに、凛は黙って頷いた。 「それでも、凛には今じゃどこの海よりも綺麗だった。それってどうして?」 凛はその問いかけに、ため息をついて答えた。 「……わからない。多分ね、今その時の海を見たらきっと描けると思うんだ」
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