2831人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな調子で歩いていくと、海が見えた。
「海!たまらないなぁ~。もう最高!」
凛はニコニコしながらそう言った。
するとさやかが髪をおさえながら言った。
「春先だから少し寒いね」
「あっ、大丈夫?」
凛が尋ねると、さやかはニッコリ笑って頷いた。
2人は並んで砂浜に腰を下ろした。
「ねぇ、凛。前から1つ聞いてみたかったんだけどいい?」
さやかが尋ねると、凛はキョトンとして頷いた。
「凛が見た海ってさ、何か特別な海とかじゃなかったよね?」
その問いに、凛は黙って頷いた。
「それでも、凛には今じゃどこの海よりも綺麗だった。それってどうして?」
凛はその問いかけに、ため息をついて答えた。
「……わからない。多分ね、今その時の海を見たらきっと描けると思うんだ」
最初のコメントを投稿しよう!