過去の海、今の海

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「まぁ、あの頃に比べたら格段に上手くなってるもんね」 さやかがそう言うと、凛は苦笑して頷いた。 「今日海に来たのってさ、陸がそうしたらいいって言ったからなんだ」 凛の言葉にさやかは少し驚いた。 「白河くんが?」 凛は頷くと空を見上げた。 「陸はさ、俺の過去も海を描きたいって思ってることも全部知ってる。そして俺が目指しているものに近い絵を描いた。 そんな陸が言うんだから何かあるんだろうなと思ったんだけど……」 「……白河くんはなんて言ったの?」 さやかが尋ねると、凛はため息をついて答えた。 「俺の見た海は姉ちゃんと美月と行けばきっと見れるはずだって」
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