答え

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凛が1枚1枚ゆっくりページをめくると、美月はその度に嬉しそうに笑った。 このスケッチブックはこの1ヶ月で描いた絵が描かれていた。 猫、木、花。 目にとまったものがたくさん描かれていた。 そんな中、あるページで美月が描かれていた絵に手を伸ばした。 凛はキョトンとしてもう一度よくその絵を見た。 その絵は、陸が旅立つ日に陸の家で描いた絵。 しかしそれは凛の絵ではなく、お互いのスケッチブックを交換して描いた陸の絵だった。 「……陸お兄ちゃんの絵が気に入ったの?」 凛が美月の顔を覗き込んで尋ねると、美月は目を輝かせていた。 陸が、というよりその時2人が描いた題材は同じで、美月だった。
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