答え

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凛は動揺しながらもなんとか言葉を紡いだ。 「俺は……陸が持っているものを……持っていたんですか?」 『間違いなく持っていたよ。しかし、残念ながら今はそれがない。……失ったというより、忘れてしまったと言った方がいいかもしれないね』 「……どうしたら、いいでしょうか?」 凛が声を震わせて尋ねると、東は少し間を置いて答えた。 『絵を描いていた時の白河くんを思い出すといい。そして昔の自分と重ねてごらん』 「……それで、うまくいきますか?」 その問いに、東は苦笑した。 『……君次第だね。わたしから言えるのはここまでだよ』 「……わかりました。少し考えてみます」
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