重荷

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「姉ちゃんは行きたいところってある?」 凛が尋ねると、さやかはニッコリ笑って答えた。 「とりあえず、美術部と凛のクラスのかな」 「じゃあクラスはヤキソバ屋だから、まずは美術部のに行こう」 凛がそう提案すると、さやかは頷いて凛の隣を歩いた。 美術室に到着すると、そこには生徒ではなくスーツを着た大人ばかりだった。 「おっ、凛じゃないか」 凛は声をかけてきた受付をしていた同じ学年の美術部員に笑いかけた。 「あれれ?抱いているのは凛先輩の隠し子ですか?そんでもって隣にいる美人さんは恋人?」 後輩の女の子がそう言うと、さやかが苦笑した。 「……姉ちゃんと姪っ子だって」 凛がため息をついて答えると、さやかはニッコリ笑って女子部員に言った。 「はじめまして。美人って言ってくれてありがとう」
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