重荷

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それから美術室を出ると、さやかは顔を真っ赤にしていた。 「あんな人前で泣くなんで……恥ずかしくて死ねるよ……」 そんなさやかの言葉に、凛は苦笑した。 「まぁ、しかたないじゃない」 さやかは拗ねたような目で凛を見た。 「凛だって人前でお姉ちゃんが好きって言ったくせに……」 しかし、凛はニカッと笑って言った。 「事実だもん。俺は姉ちゃんが好き。胸をはって言えるもんね」 堂々と言う凛に、さやかは余計に恥ずかしくなった。 「もう……。とにかく、凛のクラスの方もいこう?海くんたちいるんでしょ?」 「りょ~かい。中庭だよ」 そう言って凛はさやかの手を握って歩きだした。
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