重荷

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「……つまり、凛は前に進むことが出来る。でも、立ち止まったままのさやかさんのためにそれをしない。だからさやかさんが重荷になってるってことっスか?」 海の言葉に、さやかは黙って頷いた。 すると海は空を見上げて言った。 「俺も陸に同じこと思ってた時期がありましたよ」 さやかはキョトンとして海を見た。 海は空を見上げたまま続けた。 「さっきも話したけど、俺は家事出来なくて、全部陸がやってくれてたんスよ。陸は絵を描く時間を削ってるのに、それって不平等じゃないっスか?」 さやかは無言で頷くと、海は苦笑して言った。 「それを陸に言ったら怒鳴られました」 その言葉に、さやかは目を丸くした。 「陸くんが怒鳴ったの……?」
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