2831人が本棚に入れています
本棚に追加
「どれどれ、凛たちのヤキソバはどんな味かな~?」
さやかがそう言うと、凛はニカッと笑って言った。
「なかなか美味いと思うよ。祭の屋台らしい安っぽいソースの味で」
「安っぽいんだ……?」
さやかが苦笑すると、凛は笑顔で頷いた。
「海が料理できないクセにこだわってたからね。美味く出来ても、
『こんなのは邪道だ!祭は安っぽいヤキソバ、ベチャッとしたお好み焼きが王道なんだ!』
ってダメ出ししてた」
その言葉に、さやかはクスクス笑った。
「海くんっておもしろいね。でも子供かと思えば頼りになったりするし」
「そういえば、海となに話してたのさ?」
凛の問いかけに、さやかはニッコリ笑って言った。
「秘密よ」
「ちぇ~……」
凛がつまらなそうに口を尖らせると、さやかはクスクス笑って言った。
「ねぇ、凛」
「ん~?」
「わたしも凛のこと大好きよ」
最初のコメントを投稿しよう!