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7月、夏休みを目前にひかえた授業中、凛は悩んでいた。 何を悩んでいるかと言えば、学院祭でのさやかの一言。 『わたしも凛のこと大好きよ』 この言葉が頭の中でグルグル回っていた。 (姉ちゃんの好きは姉弟としての好きだっての!) 凛は頭をブンブン横に振った。 (弟としてそばにいるって決めたじゃんか!?姉ちゃんを困らせるだけだってわかってんじゃんか!?) そう心の中で叫んで、凛はため息をついた。 一度は心に封印した想い。 それが蘇っていた。 それどころか、以前よりその想いは強くなっていた。 「……困った」 思わず口に出た。
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