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海の言葉は凛にとどめをさした。 姉と弟だから恋愛はありえない。 そしてさやかに相手、つまり恋人がいると言われて、想像してしまった。 「はぁぁぁぁぁぁ……………」 「……すごいため息だね」 「……心なしか泣きそうだな」 2人の言葉はどんどん凛を追い詰めていった。 「もうやめて……」 そんな凛を見て、海は少し考えた後、大きく頷いて言った。 「凛、明日うちに泊まれ」 凛は顔を上げて尋ねた。 「……なんで?」 「明日は陸から電話がくる日なんだよ」 「陸が……?」 陸にはさやかへの想いに戸惑っていた時に、相談したことがあった。 話を聞いてもらうには1番いい相手だった。 「……泊まる」 凛がそう言うと、海はニカッと笑って頷いた。
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