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『凛くんはさ、さやかさんが凛くんを弟と見てるから困らせると思ってるんだよね?』 「……うん」 凛が弱々しく返事をすると、陸は優しい声色で尋ねた。 『凛くんはさ、さやかさんとどうなりたいの?』 「……今のままがいい。毎日一緒にいて、毎日一緒に笑っていたい……」 すると、陸は1つ息をはいて言った。 『じゃあ、凛くんはそのために何をしているの?』 「え……?」 『僕も凛くんと同じだったよ。何も変わらない日常が続いて欲しいって思ってた。でも今、僕はフランスにいる』 「……うん」 『変わらないものなんてない、とは言わないよ。 でもね、変えないために何ができるのか、何をしなくちゃいけないか考えなくちゃダメだよ』
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