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凛はポカンとした。 「……変えない?」 『……変わってしまった中で、変えちゃいけないものがあるよね? 僕の場合、彼女への気持ちを優先して、みんなとはなればなれになっちゃった。 でも、兄さんと渚ちゃん、凛くん、他のみんなともかわらない関係でいられてると思ってるよ』 「そう、だな……」 『だから、凛くんも考えてみようよ。何を変えたくないのか、そのために何が出来るかを』 きっと陸は電話の向こうで変わらず笑っている。 そう思うと、少し勇気がわいてきた。 「陸はやっぱりすごいな」 凛は口元をほころばせて呟いた。 すると、陸は慌てた声で言った。 『そ、そんなことないよ!』 その声を聞いて、凛はクスクス笑った。 「うん、やっぱり陸は陸だよ」
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