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『……凛くんも、凛くんのままだよ?』 陸にそう言われて、凛は大きく頷いた。 「ありがとう、陸。なんかわかった気がする」 『力になれたならよかったよ』 陸が電話越しに笑っているのが見えた。 凛は海と渚を呼んで、2人に受話器を渡した。 「ごめん、俺、行ってくる!」 凛が笑顔でそう言うと、事情を知らないはずなのに、海と渚は笑顔で頷いて 「頑張れ」 と背中を叩いた。 凛が慌てて家を出ていくと、海が陸に尋ねた。 「悩みは解消してやれたのか?」 すると、受話器から笑い声がもれた。 『凛くん次第だよ。あっ、今ちょうど湊ちゃんが来たよ。4人で話そうよ』 「わかった」 そう言って、海はハンズフリーに設定した。 すると陸と、半年前に別れた友人の声がリビングに響き、懐かしさで時間を忘れて話した。
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