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荷物を入口にまとめ、着替えをすませてリビングに戻ると、さやかがテーブルに麦茶をおいた。 「喉渇いてるでしょ?」 凛は頷いて一気に飲み干した。 さやかはクスクス笑ってもう1杯グラスに麦茶をそそぐと、凛の正面に腰掛けた。 「それで、陸くんに何を話したの?」 凛は麦茶を一口飲んで言った。 「変えたくないこと、かな」 その言葉に、さやかはキョトンとした。 「姉ちゃんはさ、今幸せ?」 凛に尋ねられて、さやかは迷わず頷いた。 「凛がいて、美月がいて、すごく幸せよ」 それを聞いて、凛は1つ深呼吸をしてさらに尋ねた。 「じゃあ姉ちゃんにとって、5年後、10年後、今と変わらずにいられたら幸せ?」
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