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「陸にね、言われたんだ。変わっていく中で、変えちゃいけないものがある。それを変えないために何が出来るか考えなくちゃいけないって」 凛の言葉に、さやかはゆっくり頷いた。 「……そうね」 「俺が変えたくないのは、姉ちゃんと美月が笑ってること。そして、その横で絵を描いていたい」 「凛、でもそれは今……」 凛はニッコリ笑って頷いた。 「出来ないって言ったね。だから『今』を変えるよ」 「……『今』を変える?」 さやかが不安そうにしていると、凛は目を閉じて大きく深呼吸した。 そしてゆっくり目を開いて、まっすぐさやかの目を見て言った。 「姉弟じゃなくて、従姉弟に戻ってほしい」
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