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その言葉を聞いた瞬間、さやかの目から流れていた涙がとまった。 それを見て、凛はもう一度大きく深呼吸をして言った。 「本当に愛してる。でも、姉弟だから、姉弟だったから、姉ちゃ……さやかさんを困らせるって思って言えなかった」 「………り……ん…………?」 さやかは戸惑いの表情を浮かべていたが、凛はさらに言葉をつむいだ。 「俺を弟って思ってるのは知ってる。ずっとそばで守ってくれてたから。そんな『姉ちゃん』が大好きだった。 でも、今は『河島 さやか』って1人の女の人も好きなんだ」 そして、凛は少し寂しそうに笑って言った。 「俺は自分が変えたくない未来のために、姉と弟の関係を捨てる」
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