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凛にとって、さやかが家族でいる時間の方が長いのだから。 凛は一度家族を失ったのだから。 家族を失った時、凛は世界を拒絶したのだから。 だからわかった。 凛の覚悟の大きさが。 だから真剣に考えて、そして返事をしなくてはいけない。 そう考えていた。 それでも、突然のことで思考が働かなかった。 すると、家の電話がなった。 (凛……!?) そう思ってさやかは急いで受話器をとった。 しかし、今は午前9時。 考えれば学校に行ってるはずの凛から電話がかかってこないことはわかっていた。 それに気付いたのは受話器の向こうから聞こえた優しい声を聞いた時だった。
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