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「……そうね。……ありがとう、陸くん」 『いえ……。僕は、凛くんも、さやかさんも好きですから……』 さやかは涙を拭って、電話の向こうで泣きそうな顔をしている少年に告げた。 「わたしも陸くんのこと好きよ。 恨んでなんかいないから……、ちゃんと答えを出すから……。 だから心配しないで?」 『……はい』 さやかは受話器を置くと、クシャクシャになった顔を洗った。 そして身嗜みを整えて美月を抱き上げた。 「……美月、ママと一緒に悩んでくれる?」 美月はさやかの腕の中で笑っていた。
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