大切な人

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凛がマンションを飛び出して3日がたった。 凛はマンションを出た足で、海の家に戻った。 海は驚いていたが、事情を説明すると頷いて 『いたいだけいればいい』 と言ってくれた。 そして今は午前10時。 海と渚は学校に行った。 しかし、凛はとてもそんな気分にはなれず、学校をサボった。 もともと陸の使っていたベッドで寝返りをうつと、携帯が手に触れた。 (電話、いつかかってくるかな……?) 凛はこの3日間、気が付けば携帯を開いてさやかからの連絡を待った。 きっとさやかは泣いているから、何度も自分からかけようかとも思った。 でも、それは出来なかった。 それをしてしまうと、姉と弟でしかいられないから。 そしてそれを壊したのは凛自身だから。
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