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凛は、海と渚がそれに気付いていることを知っていた。
それでも2人は、凛を慰めようとはしなかった。
しかし、凛はそれをひどいとは思わない。
大切な人を傷付けた痛みだから。
それを受け止めなければいけないのがわかっていたから。
だからそれを知っての気遣いが嬉しかった。
1人で悩んでいても涙がこぼれるだけだった。
だから凛は起き上がって家を出る支度をした。
自分が最も頼りにしたもう1人の人に相談するために。
そしてその人が大切にした人を泣かせてしまったことを謝るために。
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