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さやかは零れてきた涙を指で拭った。 「凛はね……わたしと姉弟はやめたいんだって……。 でも、わかってるの。 凛だってホントは変わらないでいたいんだって。 でも凛はわたしを愛してくれて、わたしといる未来を選んでくれて、そのために今、泣いているの」 さやかは溢れてくる涙をこらえるように、目を閉じて大きく息を吸った。 そして、隆志の墓を真っすぐ見て続けた。 「わたしも凛のこと大好きよ? わたしたちの知らないところで、凛は大人になってた。 わたしたちの結婚の時も、みんなを説得してくれてた。 そのおかげで、今わたしたちが認められてるの。 すごく、カッコよくなってたの」
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