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凛はそう言って真剣な表情でさやかの方に向き返った。 「だから、もう一度言います。 河島 さやかさん。 俺と結婚してください」 その言葉に、さやかは戸惑って尋ねた。 「わたしは、凛より全然年上よ? 美月だっている。 ……それでも、いいの?」 恐る恐る尋ねるさやかに、凛はニカッと笑って言った。 「『凛お兄ちゃん』もいいけど、『凛パパ』もいいよね?」 その言葉に、さやかは涙を流しながらニッコリ笑った。 「バカ……」 そう言ってさやかは凛と、凛に抱かれた美月を抱きしめた。 季節は夏。 照り付ける太陽は3人を笑顔で祝福していた。 そして太陽が浮かぶ空は 幼い頃見た海の青だった。
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