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季節は初春。
この日、矢吹 凛は3年を過ごした来栖学院大学附属高校を卒業する。
卒業後の進路は、画家としての道を選んだ。
この選択を誤りだというものはいない。
なぜなら、かつて親友がとった雪花展の金賞を、2年連続で受賞したから。
「俺たちも卒業かぁ……。早いもんだな」
海が卒業証書の入った筒で肩を叩きながらしみじみと呟いた。
その横では渚が顔をクシャクシャにして泣いていた。
凛はそれに苦笑しながら海に尋ねた。
「陸はいつ帰ってくるの?」
「めどがついたら帰ってくるとは言ってたけどなぁ。
まっ、少なくともお前の結婚式までにゃ帰ってくるだろ」
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