エピローグ

2/7
前へ
/374ページ
次へ
季節は初春。 この日、矢吹 凛は3年を過ごした来栖学院大学附属高校を卒業する。 卒業後の進路は、画家としての道を選んだ。 この選択を誤りだというものはいない。 なぜなら、かつて親友がとった雪花展の金賞を、2年連続で受賞したから。 「俺たちも卒業かぁ……。早いもんだな」 海が卒業証書の入った筒で肩を叩きながらしみじみと呟いた。 その横では渚が顔をクシャクシャにして泣いていた。 凛はそれに苦笑しながら海に尋ねた。 「陸はいつ帰ってくるの?」 「めどがついたら帰ってくるとは言ってたけどなぁ。 まっ、少なくともお前の結婚式までにゃ帰ってくるだろ」
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2831人が本棚に入れています
本棚に追加