壊れた心

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「確かにそれが1番可能性として高いと思いますが……」 医者はそう前置きしてから、目を閉じて言った。 「『絵』がきっかけになったというのも考えられます。 もっとも、前者と後者、両方ということも考えられますし、それ以外という可能性も捨てきれませんが」 「でも、今回のことに凛を治すきっかけになる物があると考えていいんですよね?」 さやかがすがるように尋ねると、医者ははっきりと頷いた。 「時間が解決するには、受け止めるにも諦めるにも、あの子はまだ幼すぎる。 我々も力の限りを尽くしますが、彼をよく知るみなさんの協力が不可欠です」 医者の言葉に、さやかと早苗は頷いて、凛の病室に戻った。
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