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「……さすが陸、ってことなのかなぁ」
凛はキョトンとしながらその絵を見た。
その絵は陸らしい優しいタッチで描かれていて、雪花展以来の陸を考えればさすがと思う出来だった。
しかし、凛も陸もお互い風景画ばかり描いていたため、人物画はそれほど得意ではなかった。
だから、同じ部活の中でも2人よりも人物画を上手く描く部員は多かった。
「……ちょっと相談してみようかな」
凛はそう呟くと、携帯を手にとった。
5コールほどして、相手がでた。
『もしもし、どうしたんだい?』
「あ、東先生、今ちょっといいですか?」
凛が電話したのは美術部顧問の東だった。
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