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雨宮「あれだな、見事に理数系が駄目なんだな」
クククっと笑う雨宮をみて、美波はむくれる。
雨宮「むくれんな(笑)ほれ、これやるから」
そう言って何かをこちらに投げる。
なんとかその謎の物体を両手でキャッチして、手を広げてみる。
美波「…飴?」
その正体は包みの両端が捩(ねじ)られている、いちご味の飴だった。
雨宮「ああ、嫌いだったか?」
美波「いえ、私いちご好きなんです。ありがとうございます。」
そう言うと、ふんわりとした笑顔を見せる。
雨宮「…っ……そうか、それならよかった。」
美波「先生、どうしたんですか?」
片手で顔をおさえたので、不思議に思ったんだろう。
雨宮「いや、それより蓮に会いに行かなくていいのか?」
美波「あ、忘れてた;;」
おいおい…忘れてたって;;
蓮が可哀相じゃないか?
慌てて時間を確認すると、ここに来てから既に2時間半を過ぎていた。
美波「先生すいません!失礼しますっ!」
美波は鞄を手に取り、ダッシュで出ていった。
雨宮「面白いやつ」
月の呟きは、美波の耳に届かなかった。
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