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佐倉家には年を召された大奥様、旦那様、奥様…そして病気がちの総一郎様が住んでいた
家の人間よりも手伝いなど外の人間が多く住む家
私は一番年下ということもあり可愛がってもらえた
ある日、総一郎様の女給係が急な休みを取り、私は初めて入る別棟の部屋の前に来ていた
「失礼します」
緊張のため上擦った声で遠慮がちに声をかけると返事の代わりに咳が聞こえた
襖を開けると広い部屋の真ん中に寝間着で布団に横になった総一郎様がいた
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