田舎の娘と妖怪屋敷

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子供の頃、テレビでみるのはほとんどが都会の景色。ドラマ、映画、バラエティー。都会は便利、色んな物がある、色んな事が出来る。都会は楽しい、色んな有名人が集まる。 そこへ行けば沢山手に入る。 なにが? 俺が欲しい物。 それは何? それは・・・。 それは? 何だろう? 私に聞かないでよ。 意味不明なやり取りの中、いきなり目が覚めた。夜行バスの中だった。俺も都会に憧れ、上京した田舎者の一人。しかし、上りのバスでこんな夢を見るのはまだ気が迷いを持っているせいだろうか。こんな迷いは向こうに着けば忘れるだろう。俺のいた田舎町ではありえないような華やかな光景に期待していた。アパートも取れたし、金銭面は一切不自由はない。金は持て余すほどにある。 だから、今は眠ろう。田舎の町をおもいながら。
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