田舎の娘と妖怪屋敷

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プシュー、と言う空気の抜けるような音で目が覚めた。バスが停車した音だ。一晩中夜行バスに揺られ、目的地の一つ前の駅。いいタイミングだ。 「・・・さて、」 大きなバッグを片手で持ち上げると、その腕はうっすらと筋繊維と血管が浮かぶ。鍛え上げてこその代物だ。 キョロキョロしながら周りの景色を確認していく。望んだ景色が目に映り、脳に流れてくる。不思議と笑みがこぼれ、あしどりがかるく次々に目的地へ向けて歩が進む。
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