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「すみませーん。」
目的地、アパートは聞いていたよりずっと綺麗だ。
玄関から管理人に声をかける。
「あらあら、どちらさまですかぁ?」
和服をきた長い黒髪の女性が出て来た。掃除の途中の様で大きな竹箒をもっている。
「管理人さんですか。俺は長南 潤と言います。」
「あぁ、姉さんの言ってた方ですね。とりあえず姉さんの所に案内しますね。さっ、上がって下さい。」
そう言って正面玄関から上がり突き当たりの部屋へ案内された。表札には管理人室と書かれていた。
コンコンと渇いた木の音がして、
「はいはぁい、どーぞー!」
気の抜けた声がした。
「姉さん、入りますよ?」
扉を開いた女性と潤は管理人室の中の光景にただ驚いた。
夏の暑さにやられて伸びきった女性が床に伏せていた。服も髪もぐちゃぐちゃだった。
「・・・えーと・・・・・・。」
潤が失礼の無いようなリアクションを考えていると、隣の女性が正面から両肩を押すように管理人室から潤を追い出した。下を向き決して目線を合わそうとしなかった。
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