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「あのぉ~・・・」
少しして先程の長い髪の女性が顔を出した。
「あ、はい。」
「姉さんを着替えさせるのでそこの電話でご実家への連絡にでも使って下さい。」
ちらりと指を指された方向を見るとレトロの代表格といった感じの黒電話が置かれていた。
「あ、お気にな、さ、ら・・・」
言い切る前に女性は部屋へ入ってしまった。
考えていると何となくレトロな黒電話に興味が沸いた。いまどきこんな物はなかなかない。母の長電話を考えると携帯電話は控えたい。
ジッ、コロコロコロ・・・
ダイヤルを回し何となく落ち着く黒電話の音を聞いていた。外は木々が茂り、夏なのに涼しい。木漏れ日が揺れて床の木材がキラキラと輝いた。とてもいいアパートだ。ホントにいい所を見つけ・・・
「ふぅぅ~・・・」
「うぅわあぁぁ!!」
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