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コンコン
何となく落ち着く渇いた木の音がした。古い建物ならではの音。廊下のギシギシ言う音も好きだ。
「姉さん、入りますよ?」
さぁ、と襖の開く音がして再び管理人室に入った。
「!?」
潤は目を疑った。いや、現在進行形、疑っている。信じられなかった。
目の前にいたのは牛ほどの大きさをした巨大なタヌキだった。田舎にもいて、何度も見たことがあったがこんなに大きなタヌキは見たことがなかった。
「!!?」
先程まで横にいたはずの女性がいなかった。代わりに小牛ほどのイタチが寝転んでいた。
何が起きたかさっぱりわからない。しかし、未知に対する興味はあったが恐怖はなかった。
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