始まりの時…

10/10
前へ
/66ページ
次へ
クレアは、クロノスと笑って和解をした。 夫婦という絆が彼等には強く結ばれていて家族を壊したくは無かったからだ。 子供達を悲しませたくはないという親の想いもあった。 コンコン 「クロノス兄さん、入りますよ?」 「ああ。」 「姉さんも一緒でしたか?お邪魔なら直ぐに退室しますよ。」 「構わないさ。邪魔って何をしてると思っていたんだデュシス?」 「二人でいるのが珍しかったものですから、てっきり仲良く戯れていたのかと思いましたよ。」 クロノスを兄と呼ぶ彼は、実質上弟ではないのだが生前のゼファイドの記憶を持つ事から兄と呼んでいる。 頭もよく魔界の王クロノスの右腕として頼りになる存在だ。 「デュシス、貴方だって二人きりになれば奥さんと仲良くしてるでしょ?魔界の王は仕事に追われ忙しいから家族とスキンシップ取る時間なんてあまりないのよ。」 「分かっていますよ。兄さんが、弱音をはかないのはクレア姉さんの管理が出来ているからでしょうね?」 「相変わらず笑顔でさらっと皮肉を言うのね?」 「不愉快でしたか?」 「いい加減慣れたわよ。でも、子供達は怖がっているみたい。トゲトゲってあだ名がついてたわよ?(笑)」 「トゲトゲって笑えるな。付けたのはローザリアだろ?」 「流石私の娘だって褒めてあげたわ✨クロスは、困ってたけどね?」 ローザリアは、デュシスが苦手だがクロノスの弟である事に配慮し可愛い(笑)あだ名をつけた。 「ローザリアは、初めて会った頃のクレア姉さんに姿だけでなく性格も似てきましたね?」 「あの頃の貴方に私は随分酷い事言った気がするわ。でも、今の貴方にはあそこまで酷い事は言えないわね?違いが分かる?」 「クレア、デュシスに過去の話は…」 「あの時の私はどうかしていたのですよ。忘れて下さい。しかし、姉さんもローザリアも私に対して冷たいですね?」 「その冷たさも親戚としての愛情だから気にしないで😃」 笑顔で言うクレアだったがクロノスは頭が痛いようだ。 クレアは、デュシスの腹黒さが昔から嫌いだった。しかし、今となっては親戚という事もあり嫌悪という感情をやや抑えている(笑) 「…デュシス、用件を聞こう?(クレアはデュシスの事になると怖いからな。)」 「そうですね。実は、魔剣等の事で情報が入ってきたのですが、魔剣、聖剣以外にも貴重な剣があるそうです。」 「それでその他の剣の所有者はどんな奴だ?」
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加