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クレアは、食事を終えてローザリアの魔法の稽古に付き添っていた。
再来年には、魔法学園の入学試験を受ける資格があるから気合いが入っていた。
「ママは、魔法学園に入って変化はあった?」
「あったわよ。友達が出来たり自分の腕に自信がもてるようになったり楽しい事ばかりだったわ。」
「友達は大切だよね。私も素敵な友達出来るかな?」
「出来るわよ。ローザリアは優しくて人の痛みや悲しみがわかるこだもの。私が保証してあげる。」
クレアは、魔法学園に入ったばかりの頃は他人を受け入れようとはしなかった。
だが、ルシュカ、シーファ、ミスティーのおかげで少しずつ変わる事が出来たのだ。
「ママはね、昔は女の人なのに男らしくてかっこよかったってパパが話してくれたの。騎士としての誇りがあったからだってパパが言ってたけどママが時折見せる女性らしさに惹かれたんだって。」
「そうだったわね。だから、ローザリアは女の子らしいお姫様に育てたかったのよ。でも、私も最初から男口調って訳じゃ無かったのよ?人間不信だったからそうなっただけだからね。」
「ママも色々苦労したんだね。お姫様も楽じゃないんだ。」
「そうね。私は、特別だったけどローザリアは魔界のお姫様として将来有望なお兄ちゃんの秘書になるんでしょ?」
「うん!それで、魔界の政治に関わってお兄ちゃんの補佐をするのが私の夢。だから、強くてママみたいにかっこいい大人の女性になりたいの。」
「私は、かっこいい大人の女性ね😓かっこいいかぁ…」
クレアはローザリアの魔法の言葉(笑)に凹んだ。悪い意味ではないのだが女ならカッコイイより綺麗や美人の方が嬉しいからだ。
ローザリアは素直で真っすぐな女の子。クレアはローザリアの正直な意見を責める事はできなかった。
「ママ、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ😃ローザリアには立派な夢があるんだから頑張ってね✨それで、魔剣セイオウガは使いこなせそう?」
「それが、まだ手にしっくりきてないし重くて中々持てないの。もう少し大きくなれば使いこなせるよね?」
「そうね。貴女なら出来るわよ。偉大な魔界の王と 私の娘だから自信を持って!」
「はい!」
明るい笑顔でローザリアは返事をした。クレアもローザリアの笑顔にほっとしている。
クレアが、聖剣の持ち主として兄の代わりに選ばれた事がプレッシャーで周りに女だからと甘く見られていた事が悔しかった事を思い出していた。
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