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此処は魔界。
クレアと魔界の王クロノスの間に出来た子供達、クロスとローザリアが幸せに過ごしていた。
「お母さん!魔法学園の入学許可証が届いたよ。」
クレアとクロノスの息子クロスがクレアの所に嬉しそうに魔法学園の入学許可証を持ってきた。
「クロス、良かったわね。おめでとう。」
「ありがとう。それで、お願いがあるんだ。」
「お願いって何かしら?」
「うん…実は、お母さんが使っていた剣を僕にくれないかな?」
クロスは、クレアに怒られるのを覚悟して顔色を伺いながら聞いてみた。
「クロスが、もう少し大きくなったらいいわよ。」
「それっていつ?」
「クロスが16歳になったら聖剣を…」
クルックー
クロスとクレアがいる部屋に一羽の白い鳩が手紙を持って飛んできた。
「伝書鳩だ。お母さん、何が書いてあるの?」
「…クロス、聞いて驚かないでくれる?」
「どうしたの?」
「聖剣が人間界の私が育った城の保管場所から消えたみたいなの。」
「…そんなの嫌だ!」
「今から人間界に行って話を聞いてくるからあの人に伝えてくれる?」
「僕もお母さんと人間界に行く!」
「クロス…しょうがないわね?王に事情を話してから人間界に行きましょう。」
「うん。」
聖剣が行方不明だと手紙には書かれていて人間界のある城では大混乱がおきてるだろう。
~王の部屋~
コンコン
「クロノス様、クレア様とクロス様が至急お話したい事があるそうです。」
「何があったんだ?まあいい話を聞こう。通してくれないか。」
「畏まりました。どうぞお入り下さい。」
バンッ!
「貴方、大変なの!」
「どうしたんだ、クレア?いつものクレアらしくないな。」
「聖剣が消えちゃったんだ。」
「…聖剣が消えた?」
「そうなのよ。信じられないけど真相を確かめに人間界に下りて詳しい話を聞いてくるわ。」
クロノスは、クレア達の話に動揺している。聖剣は、そう簡単に消えたりしないから不思議でならないのだろう。
「分かった。だが、そう急ぐ事もないだろう。聖剣が行方不明となると繋がっていた魔剣の事も気になるから私が確かめてくる。此処で待っててくれないか?」
「ええ、分かったわ。」
「ママ…」
「どうしたのローザリア?…!それは、魔剣じゃない!どうしてローザリアが持ってるの?」
「ごめんなさい。朝、気がつくと私のベッドにいつの間にかあったの。」
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