始まりの時…

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クロスに辛い思いをさせてる事がクレアには辛かった。 クレアは、クロスを優しく抱きしめる。 「クロス、貴方に辛い思いをさせてごめんなさい。でも、大丈夫よ?聖剣はクロスの元に帰ってくるから。」 「お母さん…うん!そうだね。」 「クレア姫、聖剣の事で王がお話したいとおっしゃられています。」 「分かったわ。クロス、手がかりが見つかったかもしれないわね?」 「うん!」 クロスは、クレアの言葉に自信がついた。 クロスの笑顔にクレアは安心した。 ~玉座にて~ 「聖剣が行方不明と兵士達が騒いでいるようだな。」 「はい。いつから聖剣が保管庫から消えたか分かりましたか?」 「馬鹿馬鹿しい話だが、2、3日前に夜中に幽霊みたいに剣が浮遊して目の前で一瞬にして消えたとある兵士が言っていたな。」 「…聖剣には意思がありますからおかしい話ではないでしょう。ですが、消えたのであれば手がかりはありませんね?」 「役に立てず申し訳ないと思っている。クレア、クロス済まない。」 「謝らないで下さい。聖剣を見つけて僕が持ち主だって証明してみせますから。」 「そうだな。クレアの息子のクロスなら持ち主に選ばれない筈はない。聖剣をみつけクロスの手に馴染ませ此処に帰還したという姿を心待ちにしている。」 「はい!」 クロスは、王であるクレアの兄に自信を持って言った。その姿を見てクレアはクロスの成長した様子に微笑ましく思った。 「流石、クレアとクロノス…魔界の王の子供だというべきかな?頼もしい子供になった。あの強い目はクレアにそっくりだ。」 「ええ、私の自慢の息子ですからね?では、王様失礼します。」 クレアは、王である兄にお辞儀をして玉座を出るとクロスを追いかけた。 「お母さん…僕は、聖剣の持ち主だから絶対に見つかるよ!」 クロスは、キリッと自信を持ってクレアに答えた。 その顔は、クロノス…彼の中のゼファイドを思い出させるぐらいにそっくりでゾクッとなった。 「どうしてこんな時に彼が見えるのよ?クロスは、クロノスの…ゼファイドは、クロノスの中に生きてるの?」 「お母さん、大丈夫?」 「ええ、大丈夫よ。クロス、貴方は私と魔界の王の間に産まれた子供よ。だから…」 クレアは、クロスがゼファイドに見える。 クロノスは、亡くなったゼファイドの記憶を持ち生まれ変わった。 だが、クロスがクロノスでは無くゼファイドに似てる…
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