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クレアは、ゼファイドの記憶を彼が亡くなり気持ちを自分で消していた。
だが、目の前にゼファイドに似ていると思われるクロスがいてクレアは苦しんでいた。
「お母さん、顔色悪いよ。大丈夫?」
『…クレア、いつものお前らしくないな。どうしたんだ?』
「!?…クロスは、今の魔界の王クロノスと私の子供なの!貴方とクロスは違う。」
「お母さん、しっかりして!」
クレアは、ゼファイドの幻覚をクロスを通して見ている。
それが、クレアを混乱させた。
「お母さん、変だよ。何があったの?」
『クレア、何が見えているんだ?』
「やめて~!!」
シュンッ!
クレアは、叫んだ。クロスの中にゼファイドを感じて苦しみと怒りで壊れそうだった。
そんな時、クロスの手に行方不明だった聖剣が戻ってきた。
【我が主クロスよ。お前の中に眠る力を見せてくれ。】
「僕の中に眠る力?聖剣が僕を主に認めてくれる…うわぁっ!」
ザッ!
クロスは、聖剣の意思で別の空間にクレアと共に連れて行かれた。
そこにいた敵は、聖剣によって作り出された幻影。
「きゃあっ!!」
「お母さん!聖剣、力を貸して。お母さんを守りたいんだ。」
【ならば、我が力を貸してもいいと思えるように戦え。自分の力でな?】
「そんな…僕は戦えないよ。」
【聖剣の主なら出来るさ。自信が無いのならお前に我は必要ない。】
「…僕は、聖剣を持つしかくがあるけど…」
【お前の母親のクレアは、文句無しに我が力を貸した。何故だか分かるか?】
「お母さんは、強いから。僕はまだ…」
【情けないな。それでは目の前で苦しんでいる母親を助けられない。】
クロスは、自分の力の無さと弱い心を持った事が悔しかった。
「クロス、貴方は私の息子。貴方になら出来るわ。くっ…」
「お母さん、僕は自分の力で戦うよ!聖剣の主になるって決めたんだ!」
ザシュッ シュンッ!
「クロス、ありがとう。」
「お母さん!?どうして消えるの?」
【お前を試した。クレアは、現実の世界にいる。クロスよ、お前はまだまだ我を使いこなせはしないな?】
「分かってるよ。僕は強くなる!だから、今は聖剣の仮の主としてでいいかな?」
【ああ、いいだろう。お前の成長を楽しみにしている。】
クロスは、闇を絶ちきった。そして、現実の世界へ戻ってきたのだ。
「聖剣が僕の手にある。良かった。」
「クロス、お帰りなさい。」
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