始まりの時…

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クレアは、聖剣を持ったクロスを笑顔で迎え入れた。 「お母さん、もう大丈夫なの?」 『クレア、具合はどうだ?』 「っ…またなの?どうして、私にクロスと彼を重ね合わせて見させるのよ!」 【クレア、久しいな。クロスは、ゼファイドの姿と似ているのはクロノスが生まれ変わりでは無くクロスが彼の生まれ変わりだからだ。】 「彼の生前の記憶は、クロノスにあるの。だから、クロスがゼファイドの生まれ変わりなんておかしいわよ!」 【認めたくないのも無理は無いがいずれ分かるだろう。クレアが見ているのは幻覚ではないという事にな。】 聖剣は、クレアにクロスがゼファイドの本当の生まれ変わりだという。 彼の記憶を持っているのは、クロノスだが姿が似ているのはその息子のクロス… 複雑な状況にクレアは混乱していた。 「クロス、王に会いに行きましょう?聖剣が戻った報告をしないとね。」 「うん!」 クレアは、冷静になり一時期だけ忘れる事にした。 ~再び玉座~ 「聖剣は戻ったみたいだな?クロスが持ち主で良かった。」 「内心焦ってるでしょ?聖剣が行方不明だって外に知れたら街の人達から何やってたんだって非難殺到するでしょうからね。」 「確かにそうだな。クロスに感謝している。私が聖剣の主に選ばれずクレアが主に選ばれた時も周囲の期待を裏切ったから辛かった。」 「兄さん、貴方は王なのよ?過去の事は忘れて皆を守る立派な王様になって。じゃあ、聖剣の奪還の報告は終わり!」 「クレアは、変わったな。母親として明るくなった。クロノスのお陰か?」 「クロス、帰りましょう?それでは、王様失礼します。」 「ああ、気をつけて。クロノスによろしくと伝えてくれ。」 クレアとクロスは、聖剣を持ち魔界に帰って行った。 『聖剣の主と魔剣の主が幼い兄妹…そして、この聖牙剣と魔零剣…楽しい事になりそうだな。』 謎の青年が二つの剣、聖牙剣と魔零剣を持ち意味深な言葉を残し笑顔で闇に消えて行った。 ~魔界~ 「ママ、お兄ちゃん!お帰りなさい。」 「ローザリア、只今。笑顔で迎えてくれて嬉しいわ。」 「パパの大事な会議に参加して聞いてたの。凄く面白かった✨」 「…貴方~💢ローザリアに大人の会議に参加させるなんてどういう事なのかしら?」 「前からローザリアには素質があると思って聞かせただけだ。ローザリアは、賢い女の子だからな?」 「だから何?」
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