始まりの時…

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クロノスとローザリアは、クレアの冷たい視線と言葉に黙ってしまった。 「ママ、パパは悪い事してないから怒らないであげて?」 「ローザリアが前々から会議に興味があって参加したかったからでしょ?」 「うん。だって、これからの魔界の事をパパ達が決めるんだよ?どう変わって行くか気になって…」 「ローザリア、貴女はとても賢い女の子よ。でも、魔界の政治に関わって欲しくないわ。」 「それは、私が女の子だから?」 「そうね。ローザリアには普通の女の子でいて欲しいわ。それが貴女の母親としての気持ち。でも…魔剣の主になったからそうも言えないわね。」 子供達二人に、自分と同じ運命を選ばせたくは無かった。 特にローザリアには、普通の女の子のように明るく優しい魔界の姫として…と思っていた。 「ママ、私は将来お兄ちゃんを支える秘書になりたいの✨だから、魔界の事を知らないと駄目!」 「…秘書?ローザリアは、頼もしい魔界の王の秘書になりそうね。」 「やっと笑ってくれた🎵ママ、さっき迄冷たかったり悩んでたりしてたから笑ってくれて良かった。」 「クレアの冷たい視線と言葉は愛情の証だからな?(笑)ローザリア、次期魔界の王の秘書期待している。」 「うん!任せて✨」 ローザリアが喜んでいる隣で暗くなっている次期魔界の王のクロスは、不安そうな顔をして聖剣をみていた。 「どうしたんだクロス?」 「僕は、魔界の王の息子なのに何も出来てないなって思ってたんだ。」 「クロス、貴方はこれから魔法学園での生活が待ってるでしょ?貴方ならきっと強くなれるわ。」 「うん。お母さんとお父さんみたいに強くなってみせるよ!」 『…クレアと戦える事を楽しみにしている。』 クレアは、クロスの自信ある言葉と幻覚なのかゼファイドがまた重なって見えた。 「っ…!?私に何を見せたいのよ!」 「クレア、どうしたんだ?」 「クロスが時々亡くなったゼファイドに重なって見えるの。」 「まだ、クレアの心の中に彼が生きてるという事だろう。」 「そんな…私は、貴方が生前のゼファイドの記憶を思い出したから彼の生まれ変わりだって思って嬉しかったの。」 「クレア、私が彼の生前の記憶を持っていたのは否定しない。だが、クロスがゼファイドに見えるのは本当の生まれ変わりがクロスだからではないのか?」 「!」
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