セカイの裏側

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「一先ず、緊急の呼び出しに対し、これだけ早く集まってくれたことに感謝する」 奥にいる男が話を始めた。 「まずは、彼の話を聞いてくれ」 そう男が言い終わると同時に、男の横に腰掛けてた人が立ち上がり、歩きだした。 彼はそのまま、会議室の奥に掛けられているスクリーンの横へ移動していった。 「まずは、この写真を見てください」 そう言ったのち、プロジェクターから会議室のスクリーンに映し出されたのは、宇宙の写真であった。 「これは本日午前5時27分にて、火星探査衛星より送られてきた写真です」 写真には何も不審な点は見つからない。 むしろ普通の写真といってもいいようなものだ。 因みに、現在時刻は7時48分である。 「そして、こちらが7時23分……つい先程の写真です」 あまり変わってるようには見えない。 前の写真と同じ宇宙空間の写真であった。 「次に、この二つを並べますので見比べて見てください」 よく見てみると、一つの星が少し大きくなり、場所も移動しているように見える。 「写真中の星に対して鑑定を行ったところ、コレは移動中の隕石であり、大きさは地球の約10分の1程の規模と分かりました。さらに厳密な鑑定を行ったところ、この隕石の到達場所はこの地球であり、到達時間は加減速によりますが、4日以内には落ちるでしょう」 会議室にいる人達は、皆それぞれに色々な言葉を発し、会議室に騒々しさが生まれた。
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